カラカラカラカラ・・。
喜界空港の滑走路へと無事に着陸し、空港内へと入る扉は。
なんと 「引き戸」 だった。

 

東京から喜界へ。

およそ 3 年半の付き合いを経て、妻と結婚することになった。

その挨拶のため、喜界島の妻の実家へと向かう。
羽田空港から、喜界空港へ向かう方法は、いくつかある。

私たちは、日本航空で奄美大島空港へと向かい、
そこから日本エアコミュータに乗り換え、喜界空港へと向かった。

羽田から奄美大島へは、およそ 2 時間 30 分。
奄美大島空港と喜界空港の間は約 26km。
飛行時間は、わずか 5 分だ。

マイレージを貯められる路線としては、国内最短である。
この 「5分」 の飛行時間は、非常に印象的だった。

 

通常、飛行機は、ある程度の高度まで上がると、水平飛行に入る。
シートベルト着用サインが 「ポン」 という音と共に消え、
客室乗務員がサービスを始めるのが常だ。

ところが、奄美大島~喜界間の飛行は違った。
「ポン、ポン。」とサインが出るのである。

要は、一瞬だけ、「シートベルトを着用しなくても良い時間」が流れるのだが、
すぐに着陸態勢に入るため、再び着用サインが発令されるのだ。

この間、およそ 1 秒。

客室乗務員も座りっぱなしである。
当然だ。立ち上がる暇がないのだから。

日本エアコミューターという航空会社は、日本航空系列である。
よって、従業員の制服や接客マニュアル等、
全て日本航空と同等のものを使用している。

奄美大島~喜界間の飛行においても、同様の体制が敷かれている。
飛行機が着陸態勢に入ると、客室乗務員はおもむろにマイクを取り、こう話し始めた。

「当機は間もなく、着陸態勢に入ります。お倒しにお座席、ご使用になった机は、元の位置にお戻しくださいますよう、お願い申し上げます。」

いやいやいやいや!椅子、倒す暇ないよ。机、出す暇ないよ。
あなたも立ち上がる暇、なかったでしょう。笑

波瀾万丈のフライトを終え、私たちが乗った飛行機は、
無事に喜界空港に着陸した。

私は、初めて訪れる地に期待を膨らませ、窓から外をきょろきょろと眺めていた。

ところが、何か変なのだ。

そう。空港が見当たらないのである。
滑走路はあるのに、空港の建物がないのである。
ん?
私は妻(当時はまだ「妻」ではなかったが)に訊いた。

「ねー。空港どこ?」
「あれだよ。笑」
「!?」

そこには、小さな小屋があった。

画面中央、トラックの右側に見えるのが、
入館ゲートである。引き戸である。

 

そして、喜界の大地へ。

空港まで、妻のお母様とお祖父様が迎えにきてくださった。
まずは、車で妻の実家へと向かう。

そう。まだこの地へは、辿り着いたばかりだ。

喜界島ドットコムは、下記の方針に基づき制作されています。

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