2 回目の喜界島訪島

珊瑚の石垣 – 映画のような佇まいをみせる路地

上の写真の両側の写る塀は、全て珊瑚でできている。
喜界島は年々隆起しているため、海岸沿いには死滅した珊瑚が多数存在している。
過去にはそれらを利用し、このような珊瑚の石垣を組んでいた。

今では珊瑚の石垣を作れる職人が減ったため、新たに作られることはほとんどないとのこと。

その佇まいに、思わずみとれる。

実はこの日、「今日は珊瑚の石垣を見にいこう!」 といってここを訪れたわけではなかった。
他を回っている道々、とても趣のある路地を見つけたため、車を止め、カメラを構えたのだ。

このまま道を進んでいくと、未知の何かと出会えそうな、そんな気分にさせる。

上の写真をよく見ていただくと判るのだが、右の石垣は、珊瑚と珊瑚の間をセメントのようなもので固定している。
一方、左側の石垣は、珊瑚を積み重ねただけで、固定はされていない。

大方お察しの通り、左側は昔ながらの造り方。
右側は、耐震等を考慮して後から造り直したものだ。

右のものも右のもので、趣はもちろんある。
しかし、昔ながらの珊瑚の石垣には、やはり力強いオーラを感じる。

触れてみると、岩のそれとは違う、ごつごつとした肌触りを感じることができる。

「ぎゅっ」 と触ると、少し痛い。

珊瑚の石垣を伝って、綺麗な花が咲いていた。

なんという花だろうか。
たまたま通りかかった地元の方に聞いてみた。
親切に答えていただいたのだが、ちょっと忘れてしまった。
小さな花が、ひとつの形を成して咲いている。
何となく、紫陽花を彷彿させる。

ところで、なぜ喜界島には珊瑚の石垣が多く残っているのだろうか。
少し調べてみた。

もちろん環境に恵まれているということもあるが、それ以上に、ハブの存在のことが挙げられることが判った。

死滅した珊瑚は、ハブの住処となりやすい。
ところが、喜界島にはハブが生息していない。
その結果、他の島では危険なハブからの被害を防ぐために珊瑚の石垣を崩してしまっていることに対して、ハブの心配のない喜界島では、崩す必要性がないために多く残っているのだ。

部外者的な意見で恐縮ではあるが、ぜひとも、これからも残していってほしいと思う。