ソテツは、裸子植物ソテツ科の常緑低木。
「南国ムード」 を出すために、よく使われる素材だ。
そのソテツ。
喜界島には至るところに生息しているが、その中で最も大きなもの。
それが見られるというので、行ってみた。
緑茂る中に、佇む。
その場所に辿り着いて、まず最初に目に入るのが、案内看板。
「盆栽に適します。」 の言葉に、(ほほぅ) と思う。

早速、ソテツ巨木への道を上がる。
上がる、と言っても、看板の横に既に見えている。
全貌は見えないが、何やら巨大な木があるのが判る。
そして、見えたソテツ巨木がこれ。
写真では巧く伝わらないかもしれないが、本当に大きい。
ソテツの生育は、とても遅い。
これほどまでになるには、とても長い時間を要するだろうと思う。
ソテツのすごいところは、樹高 8m 以上にもなっても移植ができてしまうほど、強健な生命力を持っているということである。
喜界島のこのソテツ巨木が移植可能かどうかは判らないが、ソテツには、もの凄い力があるということだ。
ソテツに近づき、表面をみてみる。

ごつごつしているが、何となく温かみのある、不思議な感覚を得る。
このソテツはきっと、喜界島の歴史を長い間みてきているのだろう。
私の実家には昔、大きなケヤキの木があった。
本当に大きく、とてつもない存在感を放っていた。
秋には大量の葉を落とすため、皆で一生懸命に掃除をした。
その葉を使った焚き火で焼いたさつまいもの美味しかったこと。
夏には、緑豊かなその姿で、道行く人の心を和ませてくれた。
ソテツやケヤキに限らず、長い年月を生きた木々は、人の心を豊かにしてくれるように思う。
スタジオジブリ映画 『となりのトトロ』 でも、山の中に立つ大きな樹が、トトロの住処として大きな役割を果たしていた。
これからもこのソテツは、喜界島の人たちと生きていくことだろうと思う。
そして、そのように願う。
