初めての喜界島訪島

城久グスク遺跡群 – 古代からのメッセージ

車で色々な場所を案内してもらっている最中、偶然にも遺跡の発掘現場に出くわした。
「城久グスク遺跡」と言われるものだそうで、大規模に、発掘作業が行われていた。

遺跡と知らずに踏み歩く。

発掘現場は特に囲いがされていなかったため、中まで入ってみようということになった。
砂利道を歩いていると、向こうから作業員のおじさんの暢気な声が響いた。
「おーい。そこは歩いたらだめだよー。」
何か大事なものが埋まっている場所なのかと慌てて下を見たが、あるのは沢山の石だけ。
「?」と思いつつも、少しよけて歩いて、おじさんの元にいった。
「何かあるんですか?」
「あれは、遺跡の石畳だよ。」
おおお。そういうことか。
古代の眠りから目覚め、今まさに日の目を浴びたばかりの悠久の石畳。
私たちは、その上を何も考えずに歩いていたのだった。

発掘現場を、更に進む。

発掘現場を慎重に歩いていくと、数名の男性が作業をしていた。
この日は日曜日だったのだが、発掘作業には休みはないらしい。
黙々と、作業を進めていた。

更に、別の場所に移動してみた。
こちらの作業現場は更に大きな規模だ。
ひとけはなかった。

作業現場には、所々に大きな穴が空いている。
見えている部分は良いのだが、ブルーシートに隠れた部分は、穴の位置が全く予測できないので、慎重に歩かなくてはならない。
安全な場所から、穴の中をのぞいてみた。

ひとつひとつの穴に、管理番号のような札が置かれていた。

この辺りからは、人骨が 2 体、発見されたらしい。
その人骨は、中世時代の仏教思想に基づいた「手足の屈葬」にされていて上の一体は女性、下の一体が男性であろう、ということ。
なぜ、2 体が一緒に埋葬されていたのか、いつの時代の人骨なのかなど、様々な謎は残されているが、これから研究が進められていくことだろうと思う。

いずれにせよ、「偶然」でとても貴重な体験ができ、かなり興奮した。
遺跡の発掘現場など、そうそう目の当たりにできるものではない。