初めての喜界島訪島

小野津 – 地元の人に「ハワイ」と呼ばれる砂浜

「ハワイ行く?笑」
「?」と思いつつ、「行く行く!」と言った先に連れていってもらった場所。
それが、小野津の海岸だった。
確かに、「小さな」ハワイという雰囲気。
砂が白く、海がエメラルドグリーン。
上の写真を見ていただいても分かると思うが、波が「輝く青」なのである。
青く押し寄せる波を見ていると、確かに、どこか外国に来たような、そんな錯覚に陥る。

小学生の頃、皆が来た、ハワイ。

夏休み明けの小学校。
「今年、またハワイ行ったんだぜー。」
そんな言葉が教室を飛び交う。
妻が子供の頃、小野津はまさに、ハワイだったのだ。
親や教師も知ってる、安心して行かせられる外国。
それが、小野津である。
妻の妹が当時書いた日記を見ると、「きのう、ハワイにいった。」という文章が何度も出てくるらしい。

夏に再び、来たい。

ゴツゴツとした岩場に唐突に現れるのが、小野津の砂浜である。
入り江になっていて、波は穏やかだ。
夏、カーッと照りつける太陽の下にいたなら、きっと飛び込んでいたに違いない。
水が澄んでいて、見た目に本当に爽やかだった。

ちょっと気になったのが、漂着した「ゴミ」が、岩場に多く散乱したいたこと。
地元の人が投げ捨てたわけではないだけに、やるせなさを感じる
海は、確実に汚されている。
きれいな「ハワイ」を、ぜひとも死守したい。
私は、そう思う。

ムチャ加那公園へ。

小野津の砂浜のすぐそばには、民話『ムチャ加那物語』に因んで造られた「ムチャ加那公園」がある。

昔、奴隷同様に働く百姓に、ウラトミという娘がいた。
ウラトミはとても美しい顔立ちをしていたことから、村の役人の妾になるよう命じられる。
しかし、ウラトミはこれを拒んだ。
怒った役人は、ウラトミを奄美大島本島から喜界島へ流した。島流しである。
ウラトミは、そこでムチャ加那という娘を産む。
このムチャ加那もまた非常に美しかったため、村の女性たちの嫉妬を買い、海に沈められ、殺されてしまう。
ショックを受けたウラトミは、自らの命を絶ってしまう。

伝説は、こんな感じである。
今でも喜界島には、ウラトミの墓がある。
ところで、ケサマツといい、ムチャ加那を沈めた女性たちといい、喜界島の女性は、非常に強いようである。
やはり、私も言動には注意した方が良さそうだ。

下の写真、人物は隠してある。心霊写真ではないので、誤解なきよう。